海外医療事情
デンマークの医療事情―コペンハーゲン大学病院Rigshospitaletでの経験から
俵藤 正信
1
Hyodo Masanobu
1
1自治医科大学外科学部門消化器一般外科
pp.1036-1039
発行日 2004年8月20日
Published Date 2004/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100709
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はじめに
デンマークは北欧の小国で面積は九州くらい,人口は530万人で日本の約1/20に過ぎない.ご存知のように社会保障の進んだ国であり,生活レベルとともに物価・税金も高い国として知られている.首都コペンハーゲンは人口約50万人,デンマーク最大の都市であるとともに交通の要所で北欧の玄関口と言われている.童話作家アンデルセンにちなんだ名所,公園,古城がある美しい観光都市で,日本の医療においてはインスリンのノボ社が有名である.
当科とコペンハーゲン大学病院,Rigshospitaletの消化器・肝移植外科は留学生を介した20数年来の交流があり,最近では互いの留学生が手術に参加する臨床留学のシステムをとっている.当科から今日まで4人の消化器外科医が臨床留学で同病院を訪れ,肝胆膵外科,肝移植手術を中心にデンマークの外科医療を直接体験する貴重な経験を得ている.4人とも1年間の家族同伴の滞在で,デンマークの医療と実情についても身を持って体験してきた.今回,日本人にとって比較的馴染みの薄い北欧デンマークの医療制度,外科教育,外科医療の現況について紹介する.
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