Japanese
English
特集 甲状腺癌治療の最適化を目指して
甲状腺未分化癌と悪性リンパ腫に対する診療方針
Optimal treatment of anaplastic thyroid cancer and malignant lymphoma of the thyroid gland
中山 貴寛
1
,
芝 英一
2
Nakayama Takahiro
1
1市立堺病院外科
2大阪厚生年金病院乳腺・内分泌外科
キーワード:
甲状腺未分化癌
,
甲状腺悪性リンパ腫
,
集学的療法
,
EP療法
,
EAP療法
Keyword:
甲状腺未分化癌
,
甲状腺悪性リンパ腫
,
集学的療法
,
EP療法
,
EAP療法
pp.437-442
発行日 2004年4月20日
Published Date 2004/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100594
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要旨:甲状腺未分化癌と悪性リンパ腫はともに高齢者に多く,急速に増大する腫瘍とそれによる圧迫・狭窄症状を主訴として受診することが多い.したがって,迅速かつ的確な対応が求められる.ともに超音波検査と穿刺吸引細胞診によりほとんどの症例の診断が可能である.甲状腺未分化癌の治療法は化学療法・放射線療法・手術療法を組み合わせた集学的療法が唯一完治をもたらす可能性のある治療法である.その中でも化学療法が中心的役割を担っている.ただし残念ながら現時点ではいかなる治療法が奏効したとしても平均生存期間は6~12か月であり,ヒト固形癌の中で最も悪性度の高い腫瘍である.一方の悪性リンパ腫の治療法も化学療法が中心となり,必要に応じて放射線療法を追加する.手術療法による予後改善の報告はみられないため外科的アプローチは組織生検にとどめるべきである.治療が奏効すれば10年生存率で約60%と良好な予後が期待できるため,こちらも的確な診断と治療法の選択が重要となる.
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