Japanese
English
手術手技
デンマークの脳死肝移植
Cadaveric liver transplantation in Denmark
俵藤 正信
1
,
石橋 敏光
1
,
安田 是和
1
,
永井 秀雄
1
,
山本 宏
2
,
Larsen Peter Noergaard
3
Hyodo Masanobu
1
,
Peter Noergaard Larsen
3
1自治医科大学消化器一般外科
2東埼玉病院外科
3Department of Surgical Gastroenterology and Transplantation,Rigshospitalet,University of Copenhagen
3Department of Surgical Gastroenterology and Transplantation,Rigshospitalet,University of Copenhagen
キーワード:
手術手技
,
脳死肝移植
,
肝全摘
Keyword:
手術手技
,
脳死肝移植
,
肝全摘
pp.187-191
発行日 2004年2月20日
Published Date 2004/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100546
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はじめに
日本でも脳死と臓器の移植に関する法律が成立して以来脳死肝移植が開始されたが,施行後5年以上を経過した現在その数は20数例に過ぎず1,2),日本人外科医が短期間に脳死肝移植手術を経験することは困難である.当科とデンマークの肝移植施設Rigshospitaletは肝胆膵手術・肝移植において留学生が直接手術に参加する相互交流を行っており,1年間ずつ留学した2名の日本人外科医が70例の脳死肝移植手術に直接参加する機会を得た.そのなかで日本では経験しがたい複雑な症例,難症例にも遭遇した.
脳死肝移植手術の手術時間を規定するのは主に肝摘出術であり,その手技には多くのピットフォールが存在する.またドナー肝の阻血時間も考慮すると,迅速かつ的確な肝摘出が移植手術の成否を左右すると言っても過言ではない.デンマークでは肝摘出困難例に対し,肝授動前に静脈バイパスを先行させるなどして効率的に肝摘出を行っていた.
今回はデンマークの脳死全肝移植,特にその肝摘出手技を中心に紹介する.
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