特集 肝移植手術を再考する
脳死分割肝移植
内田 孟
1
,
阪本 靖介
1
,
笠原 群生
1
1国立成育医療研究センター臓器移植センター
キーワード:
脳死肝移植
,
脳死分割肝移植
Keyword:
脳死肝移植
,
脳死分割肝移植
pp.85-91
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003121
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脳死分割肝移植は,1つの肝臓を2つに分割し2人のレシピエントに分配することで,それぞれのレシピエントに部分肝移植を行う方法である。欧州では待機患者死亡率の低下や生体肝ドナー依存を減らすためにも,積極的に脳死分割肝移植が適応されている。そのため,分割肝移植に適したレシピエントや脳死ドナーの条件が明確化されており,脳死分割肝移植に有利な脳死分配システムの構築がされている。一方,わが国においては,脳死臓器提供数が増加傾向ではあるが,依然生体肝移植が主流である。そのような状況下で脳死肝移植数を増やす目的でも,成人肝臓に対して小児レシピエントを中心に脳死分割肝移植が実施されているが,欧米のように,明確な適応基準は設けられておらず,各施設の判断に委ねられているのが現状である。本稿では,諸外国とわが国における脳死分割肝移植の現況と分割肝移植手技について解説する。
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