外科の常識・非常識―人に聞けない素朴な疑問・30
うがいは有効か
岡崎 誠
1
Makoto OKAZAKI
1
1市立伊丹病院外科
pp.786-787
発行日 2006年6月20日
Published Date 2006/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100471
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【はじめに】
最近,京都大学保健管理センターのSatomuraら(川村孝教授の研究グループ)1)から「風邪予防には水うがい」が有効で,何もしない群に比べて約4割,風邪をひく確率が低く,またヨード液(いわゆるイソジンガーグル(R)でうがいをした群はしない群とほとんど差がなかった(すなわちイソジンガーグル(R)によるうがいは無意味)という研究成果を発表し話題になっている.外科の分野でも風邪の患者をみる機会は多く,また,「手術前には術後の肺合併症予防のためにうがいを奨励したほうがいいのだろうか」,「奨励するとしたら水がよいのか,あるいはイソジン(R)がよいのか,塩水がよいのか」,「術前あるいは術後,風邪をひいた患者の予防や治療は」などの避けては通れない問題を含んでいる.本稿では,この問題を検証してみる.
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