Japanese
English
特集 消化管機能温存を考えた外科手術最前線
〔癌手術における機能温存および機能再建術―胃癌〕
幽門保存胃切除
Pylorus preserving gastrectomy for early gastric cancer prevents post-gastrectomy disorders
山口 浩和
1
,
上西 紀夫
1
Hirokazu Yamaguchi
1
1東京大学大学院医学系研究科消化管外科学
キーワード:
幽門保存胃切除
,
胃十二指腸逆流
,
胃切除後貧血
,
酸逆流型食道炎
Keyword:
幽門保存胃切除
,
胃十二指腸逆流
,
胃切除後貧血
,
酸逆流型食道炎
pp.1557-1562
発行日 2005年12月20日
Published Date 2005/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100301
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要旨:早期胃癌の長期予後が期待される現在,胃切除後の術後障害を軽減する手術が求められてきている.幽門保存胃切除は,幽門の機能を保存することで胃内容の墜落排出を防止し,ダンピング症候群などの術後障害を予防,さらに術後の十二指腸液逆流,鉄欠乏性貧血の予防,術後体重の回復に関して有利な術式と考えられる.術後の残胃内食物滞留や,噴門の開大のある症例での術後酸逆流型食道炎の問題があるものの,有利な点の多い術式であり,術前24時間pHモニターによる噴門機能の評価などにより適応を定め,神経温存や術後の消化管運動賦活剤の利用によって,安定した効果の得られる術式と考えられる.
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