Japanese
English
臨床報告・1
十二指腸鈍的外傷の1手術例
A case of blunt duodenal injury
塚本 忠司
1
,
加地 政秀
1
,
豊川 晃弘
1
,
大西 律人
1
,
濱辺 豊
1
Tadashi Tsukamoto
1
1淀川キリスト教病院外科
キーワード:
十二指腸損傷
,
外傷
Keyword:
十二指腸損傷
,
外傷
pp.907-910
発行日 2005年7月20日
Published Date 2005/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100143
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はじめに
わが国において外傷による十二指腸損傷は鈍的外力によるものが多く,なかでも交通事故によるハンドル外傷がその多くを占めている1).十二指腸損傷の形態は(1)腹腔内破裂,(2)後腹膜破裂,(3)壁内血腫の3つに分けられ,外科的治療の適応となるのは(1),(2)がほとんどである.腹腔内破裂の場合は,ほかの消化管穿孔と同様に腹膜刺激症状が早期から出現するため,診断は容易で早期に手術が行われる.しかし,十二指腸第Ⅱ部以下にみられる後腹膜破裂では特徴的な症状を呈さず,腹膜刺激症状はないか,あっても弱い場合が多く,診断され手術が行われるまでに時間を要することがある.また,十二指腸損傷の手術ではその解剖学的複雑性と,受傷後の時間経過とともに波及する炎症によって術式選択に苦慮することが少なくない.
今回われわれは,受傷の24時間後に手術を行い,合併症なく治療し得た十二指腸後腹膜破裂の1例を経験したので報告する.
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