外科の常識・非常識 人に聞けない素朴な疑問 16
腹膜炎手術のドレーンは必要か
中川 国利
1
Kunitoshi Nakagawa
1
1仙台赤十字病院・外科
pp.636-637
発行日 2005年5月20日
Published Date 2005/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100093
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【素朴な疑問】
汎発性腹膜炎の手術では,腹腔内を大量の生理食塩水で洗浄したのちドレーンを留置するのがわが国の常識である.ドレーンをダグラス窩だけではなく,横隔膜下やモリソン窩などの数箇所にも留置するのが普通である.ところが,外国の外科教科書には「汎発性腹膜炎にドレーンは不要」と書かれており,限局性の膿瘍でなければドレーンはおかない.わが国の常識は,間違っているのであろうか.
【ドレナージの意義】
汎発性腹膜炎の手術時にドレーンを留置する理由としては,貯留した血液や滲出液のドレナージ,再燃した腹膜炎の早期発見,腹腔内膿瘍の予防,さらには消化管吻合部の縫合不全対策などが挙げられている.
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