Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
多発性硬化症における三叉神経痛
Trigeminal Neuralgia in Multiple Sclerosis
根来 清
1
,
西村 由紀子
1
,
加藤 幹元
1
,
福迫 俊弘
1
,
野垣 宏
1
,
森松 光紀
1
1山口大学医学部神経内科
pp.1154
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902113
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多発性硬化症(MS)における三叉神経痛は橋の脱髄性病変により生ずると考えられているが,実際にMRIで証明されることは稀である。MSの経過中に典型的な画像所見を得たので供覧する。
患者は31歳女性。約10年前から横断性脊髄炎,視神経炎を繰り返し多発性硬化症と診断されている。経過中,右三叉神経第2枝領域の発作性疼痛発作が出現するようになつたため頭部MRIを撮像した。T2強調画像では側脳室周囲の大脳白質,脳梁,小脳にMSに相応する多発性散在性の高信号病変を認めた。また,橋のレベルでは右三叉神経のroot entry zoneに脱髄斑を認めた(図左)。Gadolinium-DTPA造影T1強調画像では同部と右三叉神経の一部が造影された(図右)。メチルプレドニゾロン1,000mg/day3日間投与により疼痛発作は消失した。
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