Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
Paralytic pontine exotropiaを呈した橋被蓋部梗塞の1例
Paralytic Pontine Exotropia:Report of a Case
形岡 博史
1
,
小西 敏彦
1
,
南川 順
2
,
錫村 明生
3
,
高柳 哲也
3
1市立岸和田市民病院神経内科
2市立岸和田市民病院脳神経外科
3奈良県立医科大学神経内科
pp.1155-1156
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902114
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症例 56歳,男性。
1996年3月12日,ものが二重に見え,翌目には左上下肢筋力低下を自覚し歩行不可能となり当科救急入院となった。入院時意識は清明であった。頸部に血管雑音聴取せず,瞳孔は左右同大で対光反射は敏速であった。眼位は右眼は正中位で左眼は外転位をとり,垂直方向眼球運動制限はないが,右方注視時では両眼とも眼球運動を認めず,左方注視時では左眼で注視方向性の単眼性眼振を伴って外転し,右眼は眼球運動を認めずparalytic pontine exotropiaを呈するone-and—a-half症候群であった。輻輳は不可能で眼球頭反射は認めなかった。左上下肢に軽度から中等度の筋力低下と表在覚の低下,軽度失調を認め,病的反射はなく,深部反射は両側上下肢とも中等度低下していた。頭部MRI,T2強調画像水平断像では右橋下部背側に高信号域を,また矢状断像で橋背側に高信号域を認めた。椎骨動脈写では左側に比べ右側では血管の描出が乏しかった。
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