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特集 イオンチャンネルと神経筋疾患
低カリウム血性周期性四肢麻痺と運動失調症—カルシウムチャンネル病
Hypokalemic Periodic Paralvsis and Ataxia:Ca Channel Disorders
小西 哲郎
1
Tetsuro Konishi
1
1国立療養所宇多野病院・神経内科
1Department of Neurology, Utano National Hospital
キーワード:
calcium channel
,
hypokalemic periodic paralysis
,
cerebellar ataxia
,
migrane
Keyword:
calcium channel
,
hypokalemic periodic paralysis
,
cerebellar ataxia
,
migrane
pp.1068-1078
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902104
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I.はじめに
イオンチャンネルの蛋白構造が解明されて,そのイオンチャンネルのアミノ酸配列異常から種々の遺伝性神経・筋疾患が明らかにされてきた。前章で述べられた,家族性高カリウム(K)血性周期性四肢麻痺(hyperkalemic periodic paralysis)はナトリウム(Na)チャンネルの点変異による疾患である3)。この疾患は電気生理学的検索からNaの透過性の異常が明らかにされ21),ついで高K血性周期性四肢麻痺患者とNaチャンネルのαサブユニットのgeneとの密接な関連10)が見いだされ,Naチャンネルのαサブユニットの点変異32)が明らかにされた。一方,家族性低K血性周期性四肢麻症痺(hypokalemic periodicparalysis:Hypo PP)は,家系のリンケージ分析から遺伝子異常が第一染色体の1q31—q32に位置することが明らかとなり,この遺伝子座がすでに解明されていたL型カルシウム(Ca)チャンネルのα1サブユニットの遺伝子座(CACNL 1 A 3)と一致することから,この疾患がL型CaチャンネルのαISサブユニットのアミノ酸配列の異常であることが最近明らかにされた。さらに,遺伝性小脳失調症や発作性運動失調症,偏頭痛の遺伝子異常がP/Q型Caチャンネルのα1Aサブユニット(CACNL 1 A 4)のアミノ酸配列の異常であることが最近明らかにされた。
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