Japanese
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特集 プリオン病
医原性プリオン病と感染予防およびケア
Clinical Management of Prion Disease
糸山 泰人
1
Yasuto Itoyama
1
1東北大学医学部神経内科
1Department of Neurology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
prion disease
,
Creutzfeldt-Jakob disease
,
iatrogenic infecfion
,
inactivation
Keyword:
prion disease
,
Creutzfeldt-Jakob disease
,
iatrogenic infecfion
,
inactivation
pp.707-711
発行日 1997年8月1日
Published Date 1997/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902091
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I.はじめに
Unconventional virus(通常の手段では確認できないウイルス)により発症する遅発性ウイルス感染症(slow virus infection)として考えられてきたCreutz—feldt-Jakob病(以下,CJDと略)やGerstmann—Straüssler-Scheinker病(以下,GSSと略)などは,現在では蛋白質性感染粒子(proteinaceous infectiousparticle)・プリオンにより感染することが明らかにされ,プリオン病と総称されている。プリオンそのものは正常の細胞にみられる蛋白(PrP)であるが,なんらかの理由によってプロテアーゼ抵抗型の感染性プリオン蛋白(Prpsc)に変換し,重合して脳内に蓄積することにより神経障害を発症することが推測されている。
現在プリオン病の研究においては,正常型プリオンの機能の解明と正常型プリオンから感染型プリオンに変換する機序の解明が急がれているが,まだそれらの多くは不明である。医原性プリオン病のようにプリオン病がヒトに感染する事例が報告され,また,昨今では狂牛病との関係で動物からヒトへのプリオン病の感染の疑いも報告されている。本稿では実際のプリオン病の患者への対応や,感染の予防と対策,それに患者のケアについて述べる。
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