Japanese
English
総説
プリオン病最近の話題
Current Topics in Prion Diseases
古川 ひさ子
1
Hisako Furukawa
1
1福岡大学薬学部薬物治療学教室
1Department of Clinical Pharmacology, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Fukuoka University
キーワード:
prion protein
,
prion disease
,
Creutzfeldt-Jakob disease
,
conformational diseases
Keyword:
prion protein
,
prion disease
,
Creutzfeldt-Jakob disease
,
conformational diseases
pp.283-288
発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902119
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はじめに
核酸によらない,蛋白質だけによる感染症であるプリオン病が米国のPrusinerによって提唱されてから間もなく20年が過ぎようとしている。ヒトのプリオン病は,その8割以上を占める散発性クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)でさえも有病率100万人に約1人という比較的稀な疾患群である。しかし1996年から英国で多発している(牛海綿状脳症由来であることが強く疑われている)変異型CJDや,本邦で多用されていたヒト乾燥硬膜由来の医原性CJDの報告が相次ぐなど,近年その感染経路をめぐってプリオン病は大きな社会問題の1つになっている。さらに最近ではわが国でも牛海綿状脳症(bovine spongiform encephalopa—thy:BSE)の発症が報告され,感染予防・食肉安全性の確保が急がれている。本稿ではプリオン病およびプリオン蛋白についてこれまでに何がわかってきたのか,そして今後何が明らかにされなければならないのかを述べてみたい。
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