Japanese
English
総説
下垂体外科の歴史
History of Pituitary Surgery
景山 直樹
1
Naoki Kageyama
1
1名古屋大学
1Nagoya University
キーワード:
history of pituitary surgery
,
hypophysectomy
,
functioning and non-functioning adenoma
,
micro-and macroadenoma
,
adenomectomy
Keyword:
history of pituitary surgery
,
hypophysectomy
,
functioning and non-functioning adenoma
,
micro-and macroadenoma
,
adenomectomy
pp.565-573
発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901968
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下垂体創生期
下垂体腫瘍の外科的切除に関しては,開頭術と経鼻術とがほぼ同時に始まっている。すなわち1906年にロンドンのSir Victor Horsley42)が開頭術で10例の下垂体腫瘍の切除術に成功したと発表し,同じ年にインスブルックの耳鼻科医Schloffer73)が下垂体腫瘍の6例の病理解剖症例とそれまでに発表された種々の到達法についての論文をまとめ,手術法についての検討論文を発表し,その翌年1907年に初めて経蝶型骨洞法でacromegalyの症例の手術成功例を発表した74)。そして,これら下垂体手術が始まった動機は1886年Pierre Marrie59)が2例の四肢末端肥大例の病像を報告し,初めてacromegalieという名称を用い,それらの症例に下垂体の肥大が認められることを述べ,さらにその翌年Minkowski62)が下垂体の肥大が強くて視神経を圧迫,視力障害をだしている症例を報告し,下垂体の肥大が,他の組織の肥大を上回るものであることを示し,他にもいろいろ類似の報告が行われた結果45),この下垂体腫瘤を取ることが治療につながると考えられたといわれている。
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