Japanese
English
総説
神経疾患における遺伝子診断の問題点と課題
Current Issues in Genetic Testing for Neurological Diseases
吉田 邦広
1
Kunihiro Yoshida
1
1信州大学医学部附属病院遺伝子診療部
1Division of Clinical and Molecular Genetics, Shinshu University Hospital
キーワード:
genetic counseling
,
ELSI
,
informed consent
,
predictive genetic testing
,
prenatal genetic testing
Keyword:
genetic counseling
,
ELSI
,
informed consent
,
predictive genetic testing
,
prenatal genetic testing
pp.1095-1105
発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901872
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はじめに
2001年2月15日号のNature誌,同年2月16日号のScience誌にヒトゲノム解析結果が公表されたことによりヒトゲノム計画は1つの区切りを見せ,今や時代は「ポストゲノムの時代」に入った。すなわち読み解かれた膨大なヒト遺伝子情報の中からヒトの体質や病気に関連の深い遺伝子情報を探り出し,その情報を個人の健康管理や疾病の早期発見・予防・治療に役立てようとする研究の流れである。神経疾患においてもこの数年間に次々と新たな疾患原因遺伝子が同定され,また疾患と関連の深い一塩基多型(single nucleotidepolymorphisms:SNPs)が見い上出され,臨床医にとってはこれらの遺伝子情報を実際の医療現場でいかに有効に,かつ適切に活用するかが問われている。遺伝子診断は臨床医が医療行為の中で遺伝子情報にかかわる最も一般的な機会であり,どの専門領域においても診療を進める上で不可欠なものとなりつつある。
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