Japanese
English
総説
減圧障害の中枢神経病変
Central Nervous System Involvement in Decompression Illness
合志 清隆
1,2
Kiyotaka Kohshi
1,2
,
Robert M Wong
3
1産業医科大学脳神経外科
2産業医科大学病院高気圧治療部
3Department of Diving and Hyperbaric Medicine, Fremantle Hospital and Health Service
1Departrment of Neurosurgery, School of Medicine, University of Occupational
2Departrment of Environmental Health, and Division of Hyperbaric Medicine, School of Medicine, University of Occupational
キーワード:
decompression illness
,
neurologic disorders
,
diving
,
microbubbles
Keyword:
decompression illness
,
neurologic disorders
,
diving
,
microbubbles
pp.715-722
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901812
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はじめに
周囲環境圧の不適切な減圧による障害は,潜水や潜函作業などの高圧環境暴露や航空機事故などの際に発生し,全身に様々な臨床症状を示す。ある環境圧から急激に減圧されると組織の不活性ガス(空気吸入時には窒素ガス)の溶解度が低下し,呼吸循環系を介した排出との平衡がくずれると溶存不活性ガスが組織あるいは血液中で過飽和状態となり,ある限界を超えると気泡を形成する。これらの気泡が組織内に発生すれば組織損傷を直接きたし,血管内では組織の血流障害を引き起こす。さらに,減圧による障害には気泡形成以外に生体の含気腔のガスの過膨張による損傷が含まれる。
潜水によって引き起こされる障害のなかで,中枢神経系障害の臨床症状や神経放射線学的所見について紹介すると同時に,この疾患の病型分類において問題になっていることにも言及したい。
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