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特集 アルツハイマー病—最近の話題
4.抗痴呆薬開発の現況
Recent Development of Anti-dementia Drugs
平井 俊策
1
Shunsaku Hirai
1
1東京都立神経病院
1Tokyo Metropolitan Neurological Hospital
キーワード:
anti-dementia drug
,
Alzheimer's disease
,
acetylcholinesterase inhibitor
,
donepezil
Keyword:
anti-dementia drug
,
Alzheimer's disease
,
acetylcholinesterase inhibitor
,
donepezil
pp.235-240
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901736
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はじめに
痴呆性疾患の治療薬には,その中核となる記憶力,見当識,理解・判断力などの認知機能障害の治療薬と,その周辺の随伴精神症状の治療薬とがあるが,抗痴呆薬とは痴呆の中核症状を偽薬に比べて有意に改善する(認知機能改善型)か,あるいはその進行を有意に抑制し(進行抑制型),しかもその作用が主であるような薬をいう1)(図1)。理想的には痴呆の進行を完全に抑制する薬の出現が望ましいが,認知機能改善型の第一世代の抗痴呆薬が,やっと認可されだしたのが現状である。痴呆はいろいろな疾患によって起こるが,アルツハイマー病と脳血管性痴呆とでその約8割が占められる。脳血管性痴呆やその他の多くの痴呆性疾患では,原因疾患の予防・治療が優先するため,抗痴呆薬の主な対象となるのはアルツハイマー病(以下AD)である。そこで以下ADを対象とする抗痴呆薬について述べることにしたい。
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