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濾過法による髄液細胞診を経時的に行い,治療中の髄液真菌数の推移を観察した重症クリプトコッカス性髄膜炎の2例を報告した。患者の1mlの髄液をMillipore社製のフィルターで濾過し,アルシアン青染色後に検鏡してフィルター上の髄液真菌を計数した。髄液培養にてクリプトコッカスが分離されなくなった時点で,症例1で500/ml,症例2で2,500/ml以上の髄液真菌が観察された。この髄液真菌は,治療の継続にもかかわらず症例1で5週間,症例2で60週間以上持続して観察された。この間,髄液クリプトコッカス抗原も陽性であり髄膜炎は持続していた。症例2の剖検では,くも膜下腔の広い範囲に,クリプトコッカスによる炎症像が認められた。この2例では,培養で分離されない髄液真菌の持続的な残存により,クリプトコッカス性髄膜炎が重症化したと考えられた。
We monitored the cryptococcus count in the cere-brospinal fluid (CST) using the filter technique in two cases of serious cryptococcal meningitis during the course of treatment with antifungal agents. Lumbar puncture was performed once a week, and 1 ml of CSF was filtered through a Millipore filter ( 5.0-μ m pore for cells), followed by staining of the filters with Alcian blue.
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