Japanese
English
特集 脳血管攣縮の病態と治療
3.薬物による治療
Drug Therapy
浅野 孝雄
1
Takao Asano
1
1埼玉医科大学総合医療センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Saitama Medical School, Saitama Medical Center
キーワード:
cerebral vasospasm
,
free radical
,
protein kinase C
,
oxyhemoglobin
,
vascular smooth muscle
,
antioxidant
Keyword:
cerebral vasospasm
,
free radical
,
protein kinase C
,
oxyhemoglobin
,
vascular smooth muscle
,
antioxidant
pp.473-485
発行日 2000年6月1日
Published Date 2000/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901608
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はじめに
くも膜下出血(SAH)後脳血管攣縮(VS)の発生率は過去10数年の間にやや減少している1〜3)。過去に行われた国内でのSAH対象二重盲検試験4〜6)におけるプラシボ群(VSを対象とした特別な処置を行わない)での成績を見ると,症候性脳血管攣縮(symptomatic vaso-spasm:SV)の発現率は約40%であるが,最近の国内合同調査では23%と少なめであった。これは様々な新しい子防・治療法の効果を反映していると思われる。しかし,国内外全ての調査に共通して,3カ月後機能予後良好群の比率はSV非発生群では約80%,SV発生群では約50%であり,今なおVSは,SAH全症例の10〜20%に軽度〜重度の機能障害を発生させる重篤な合併症である1〜8)。このことからVSの子防・治療に一層の進歩が必要であることは明らかである。本論文では先ず薬物治療の根拠であるVS発生機序について著者の考えを述べ,それに基づいてVSに対する治療方法について考察する。
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