Japanese
English
総説
グリオーマとフリーラジカル
Glioma and Free Radical
吉井 與志彦
1
Yoshiko YOSHII
1
1琉球大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Faculty of Medicine, University of the Ryukus
キーワード:
glioma
,
free radical
,
radical scavenger
,
radio-l chemo-resistant factor
,
clonality
Keyword:
glioma
,
free radical
,
radical scavenger
,
radio-l chemo-resistant factor
,
clonality
pp.571-581
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901585
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I.はじめに
近年のグリオーマ研究に分子生物学的手法が導入され,それによる新たな知見は,グリオーマ腫瘍細胞が持つ生命体の複雑さ・巧妙さを思い知らされる.まだ全てが解明されていないにせよ,実際のグリオーマ治療が,それらの複雑さに対応したものがほとんどないだけに,大きな乖離を感じさせる.グリオーマが発生学的にneural tubeの極く初期の,種々の細胞に分化するmultipoten-tialityを持っているglioblastが起源であれば,同一の腫瘍組織の中で存在する,形態・分子生物学的heterogeneityや腫瘍細胞内に存在(発現)する多くの自己保存の因子や因子間の相互作用のメカニズムが,必要に応じて活発になってくるのも理解出来よう.ただ,それら機能が腫瘍に於いても正常に作用しているのか,腫瘍性に異常に作用しているのかが問題ではある.このような理解も含めて,これまでの研究成果を概観し,現在取り組んでいるテーマ(ラジカル作用)について報告する.
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