Japanese
English
総説
下垂体茎・後葉病変の臨床と病理
Clinicopathological Diagnosis of the Diseases in Stalk and Neurohypophysis
栗坂 昌宏
1
Masahiro Kurisaka
1
1高知医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kochi Medical School
キーワード:
stalk
,
choristoma
,
pituicytoma
,
neurohypophyseal germinoma
,
granulomatous neurohypophysitis
,
lymphocytic infundibulo-neurohypophysitis
Keyword:
stalk
,
choristoma
,
pituicytoma
,
neurohypophyseal germinoma
,
granulomatous neurohypophysitis
,
lymphocytic infundibulo-neurohypophysitis
pp.5-13
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901540
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はじめに
下垂体茎・後葉に発生する疾患はいずれも極めて稀であり,症例報告の域に留まり,生涯を通じて一度も経験できない疾患が多いものである。下垂体茎・後葉系に発生する疾患としては,Table 1に示す疾患群が列挙される。血管障害や外傷は特に稀であり,救命救急センターを併設していない施設でこれらを経験することはまず無い。われわれの施設でもこの20年間に一度も経験していない。したがって,本槁では下垂体茎・後葉に発生した占拠性病変を中心に概説する。
下垂体後葉に発生する占拠性病変として,腫瘍性病変および炎症性病変がある16)。このうち,著者が経験した腫瘍性病変の中から,granular pituicytoma, cho-ristoma, xanthogranuloma,そして炎症性病変からgranulomatous neurohypophysitisについて記述する(Table 2)。いずれの疾患もsymptomaticなものは手術適応となる23)。
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