Japanese
English
総説
MR Spectroscopyの臨床有用性と可能性について
Clinical Utility and Possibility of MR Spectroscopy
原田 雅史
1
,
久岡 園花
1
,
大塚 秀樹
1
,
岡田 稔子
1
,
米田 和英
1
,
西谷 弘
1
,
宇野 昌明
2
,
森 賢二
3
Masafumi Harada
1
,
Sonoka Hisaoka
1
,
Hideki Otsuka
1
,
Toshiko Okada
1
,
Kazuhide Yoneda
1
,
Hiromu Nishitani
1
,
Masaaki Uno
2
,
Kenji Mori
3
1徳島大学医学部放射線科
2徳島大学医学部脳神経外科
3徳島大学医学部小児科
1Department of Radiology, School of Medicine, University of Tokushima
2Department of Neurosurgery, School of Medicine, University of Tokushima
3Department of Pediatrics, School of Medicine, University of Tokushima
キーワード:
MRS
,
brain
,
metabolism
,
function
,
lactate
Keyword:
MRS
,
brain
,
metabolism
,
function
,
lactate
pp.923-931
発行日 1999年11月1日
Published Date 1999/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901509
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はじめに
MR Spectroscopy(以下MRS)の歴史はMRIに比べると古く1970年代にはほぼ確立され,それほど新しい技術ではない。化学や薬学の分野では構造解析や分析の手法として以前より用いられてきた。しかし臨床医学においてはMRIの急速な進歩に比較してMRSの応用は非常に遅れ気味であったといえる。これはMRSの測定方法の煩雑さに加えて,得られたデータの精度や解釈にあいまいな部分があったためと思われる。
最近のMRIは,静磁場の均一性の向上やRFパルスの形状の改善さらに傾斜磁場の立ち上がりと強さの向上など,ハード面では非常に進歩し,MRSの測定においても改善がみられるようになった。さらにソフト面の改善も次第に図られ測定法の自動化もすすみ,かつてのような特殊な測定法といった扱いにくさもなくなってきた。このようにMRSの臨床応用への環境が整いだしてきたためか,米国においてはFDAがpro-ton MRSに限って臨床診断の1手法として認定し,急速に臨床応用が増加している傾向がうかがわれる。しかし,本邦において実際に日常診療に応用している施設はかなり限られているのが現状のようである。
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