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T2*強調画像は,常磁性体である鉄イオンを含むヘモジデリンがわずかでも存在した場合に生じる磁場の不均一性を低信号として捉えるので,出血の診断には感度が高い撮像法である。われわれは,頭部外傷慢性期の画像診断でのT2*強調画像の有用性を4例において検討した。受傷直後から意識障害や神経学的異常所見があるにもかかわらず,急性期CTスキャンではこれに見合う頭蓋内病巣が描出されなかった2例においては,慢性期の通常のMRI撮像法でも異常はなかったが,T2*強調画像では受傷後2〜3年以上を経過しても,大脳脚や脳梁の病巣が低信号域として描出された。また,急性期CTスキャンで脳内出血がみられた2例では,慢性期では通常のMRI撮像法では異常はみられなかったが,T2*強調画像では急性期CTスキャンでみられた脳内出血と同部位にほぼ同じ大きさの低信号域が描出された。また,くも膜下出血のあった1例では,その一部が慢性期T2*強調画像で脳槽内の低信号として描出された。頭部外傷患者を慢性期に診断する場合には,通常の撮像法にこのT2*強調画像を併せて行うことはきわめて有用である。
T2* weighted gradient echo image has heightened diagnostic sensitivity to hemorrhage, which is attrib-uted to magnetic susceptibility-induced static field in-homogeneities arising from paramagnetic blood break-down products such as hemosiderin, which shorten T2*. We examined 4 cases of head injury in chronic stage by T2* weighted images and assessed the clini-cal application of this sequence for diagnosis of the in-tracranial lesion. All patients underwent CT scan on acute stage and long-term follow up was performed.
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