Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
痴呆を伴わない高齢発症のDRPLA患者にみられた頭部MRIのびまん性大脳白質病変
Diffuse Cerebral White Matter Lesion on MRI in a Patient with Late Onset DRPLA without Dementia
河村 忠雄
1
,
荒川 健次
1
,
荒木 栄一
1
,
谷脇 考恭
1
,
山田 猛
1
,
吉良 潤一
1
1九州大学医学部脳神経病研究施設神経内科
pp.536-537
発行日 1999年6月1日
Published Date 1999/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901455
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症例 69歳,女性
67歳時,歩行時のふらつきに気づき,次第に増悪した。それ以外には自覚症状はなかった,既往歴に特記事項なし。長男に失調性構音障害と四肢体幹の運動失調を認めた。入院時の一般理学的所見は異常なく,神経学的には意識清明で見当識は正常だった。高次脳機能障害はなく,知能は正常だった。脳神経領域は眼振もなく正常。頸部振戦と右上肢の姿勢時振戦を認めた。筋力と深部腱反射は正常だったが,四肢に著明な運動失調を認め,筋緊張も低下していた。歩行は開脚歩行で,つぎ足歩行は不能だった。自律神経症候は認めなかった。長谷川式簡易痴呆スケールは27/30点,Mini-Mental State Examinationは29/30点,WAIS-Rは全IQ 74(言語性IQ 83,動作性IQ 68)だった。脳波では全般性散発性θ波を認めた。DRPLA遺伝子検査にてCAGリピート数は66回/17回(正常:7〜23回)と伸長がみられ,DRPLAと診断した。甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが投与されたが,症状の改善はみられなかった。
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