Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
Hemiatrophyとparoxysmal dyskinesiaを呈した脳血管奇形
A Case of Cerebral Vascular Malformation with Hemiatrophy and Paroxysmal Dyskinesia
米田 光宏
1
,
喜多 由子
1
,
溝田 貴光
1
,
木下 郁夫
1
,
大坪 まゆみ
2
1日本赤十字社長崎原爆病院内科
2日本赤十字社長崎原爆病院放射線科
pp.362-363
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901430
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- Abstract 文献概要
症例30歳,男性
高校生の時に,右下肢が左に比べ少し細いことに気づいた。22歳頃より右下肢の萎縮とともに時々右上肢が1分間程「こわばる」ようになることがあった。27歳頃より右上下肢の脱力が出現し,徐々に進行するため1998年8月18日当科へ入院となった。神経学的所見では,意識清明,脳神経ではごくわずか右の顔面神経麻痺あり。右上下肢の軽度の筋力低下,筋萎縮(上肢で約2cm,下肢で約3cmの周径の左右差あり)があり,腱反射の亢進,病的反射の出現をみた。感覚,協調運動は正常であった。入院中も数回はっきりした誘因なく右上肢を軽く内旋し,手首を屈曲させ指を伸展するdystonic postureが約1分間出現した。他に不随意運動はみられなかった。誘因については,本人はアルコール摂取時に多いとの証言はあったが,運動開始時や運動中には起こらなかった。過呼吸では右上肢に「起こりそうな」前兆はあるが誘発されなかった。入院時一般血液,生化学検査では特に異常はみられなかった。頭部CTでは左内包後脚に淡い高吸収域を認めた。頭部MRI, T1強調画像では線条の高信号域を含む等信号域として,T2強調画像では主として高信号を呈する,周囲に浮腫やmass effectの認められない病変として描出され,病変の一部に低信号環を有する高信号域も認められた(図1)。ガドリニウムによる造影MRIで全体に軽度の造影効果がみられた。MRAでは異常血管は描出されなかった。
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