Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
Brown-Séquard syndromeを呈した中枢神経脱髄性疾患
A Case of Brown-Séquard Syndrome Caused by Demyelinating Disease
中根 俊成
1
,
木下 郁夫
1
,
古賀 久伸
2
1日赤長崎原爆病院内科
2森の木脳神経外科
pp.200-201
発行日 1998年2月1日
Published Date 1998/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901246
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症例12歳,女性
1996年1月頃より感冒様症状(発熱,鼻汁,咳嗽)が出現。2月2日,右手指先のしびれ感,右側胸部以下での異常感覚,温度覚および触覚の鈍麻を自覚。2月6日には左下肢の筋力低下のため転倒しやすくなり,近医を受診。頸部MRIにて頸髄C7レベルにT1強調画像で低信号域,T2強調画像で高信号域の病変を認め,脱髄性疾患が疑われた(図1)。2月10日当院に紹介入院となった。入院時の神経学的所見では,意識清明,髄膜刺激徴候なく視神経を含め脳神経系に異常なし,左下肢の軽度筋力低下,左側にて膝蓋腱反射・アキレス腱反射の亢進,Babinski・Chad-dock反射陽性,右上半身胸髄Th 6レベル以下での異常感覚・温度覚および触覚の鈍麻を認めた。一般血液・生化学的検査では特に異常所見はみられなかった。髄液所見も正常であり,myelin basic protein,oligoclonai bandも共に陰性であった。2月14日施行の頸部MRIでは頸髄C7レベルにT1強調画像で低信号域,T2強調画像で高信号域をそれぞれ示し,Gd造影で増強される病変を認めた(図2上,下)。その後,ステロイドパルス療法を行い,上記臨床症状は速やかに消失した。また2月23日施行の頭部MRIでは右前頭葉・頭頂〜後頭葉の深部白質にT1強調画像で低信号域,T2強調画像で高信号域を示す散在性の病変が見られた。
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