Japanese
English
特集 神経疾患治療の進歩
脱髄疾患のインターフェロン療法
Interferon Therapy for Demyelinating Disease
宇宿 功市郎
1
,
納 光弘
2
Koichiro Usuku
1
,
Mitsuhiro Osame
2
1鹿児島県立姶良病院神経内科
2鹿児島大学医学部第三内科
1Department of Neurology, Aira Hospital
2Department of 3rd Internal Medicine, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
Demyelinating disease
,
interferon
,
therapy
Keyword:
Demyelinating disease
,
interferon
,
therapy
pp.625-631
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900808
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はじめに
インターフェロン(IFN)は,1957年にIsȧacsとLindermann1)により発見された抗ウイルス作用をもつ生理活性物質であるが,発見の当初から細胞分化,成長調節作用,免疫調節作用が注目を集め,以後35年間幅広い分野で精力的に研究が続けられてきている2)。このIFN研究の歴史は,60年代中頃までの抗ウイルス作用研究のための実験システム開発およびIFNの分類期,70年代中頃までのIFNの純化精製と抗ウイルス作用以外の発見期,80年代以降のIFN遺伝子のクローニングおよび遺伝子工学的手法による大量生産ならびに臨床応用期の3期に分けて考えられる。
近年米国で多発性硬化症(MS)において,多施設二重盲検試験でIFNβの有用性が確認された3,4)。われわれは,ヒトレトロウイルスのHTLV-Iで強き起こされる慢性の脊髄症であるHTLV-I—Associatedmyelopathy(HAM)においてIFNαをその治療に応用し,有効性を確かめてきている5,6)。今回はIFNの分類,性質,作用機序について述べた後MS,HAMでの応用についてまとめてみたい。
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