Japanese
English
総説
小児の脳死
Brain Death in Infancy and Childhood
竹内 一夫
1
Kazuo Takeuchi
1
1杏林大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
brain death
,
children
,
pediatric
,
criteria
Keyword:
brain death
,
children
,
pediatric
,
criteria
pp.13-18
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900578
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
小児でも脳死状態に陥ることは決して珍しいことではない。しかしとくに新生児,乳幼児では,その判定に格段の配慮が必要である。事実,わが国の厚生省研究班の判定基準20)では,6歳未満の乳幼児は対象外とされ,またアメリカ合衆国大統領委員会による判定指針15,31)でも,5歳以下の小児では特別な注意が必要であることが強調されている。ただしその後に厚生省研究班(研究班)45)は,小児の判定基準の作成のために今後の作業が必要であるとしているし,脳死臨調32)の答申にも同様の意見が述べられている。たしかにわれわれは,あえて小児の脳死判定を避けて通るべきではなく,少なくとも医学的観点からは,小児の脳死に対しても,成人のそれと同様に正しい認識をもっている必要がある。すでに諸外国ではいくつかの小児の脳死判定基準案も出ているので,この機会に小児の脳死について総説を試みたいと思う。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.