Japanese
English
総説
神経成長因子
Nerve Growth Factor
古川 昭栄
1
,
古川 美子
1
Shoei Furukawa
1
,
Yoshiko Furukawa
1
1岐阜薬科大学分子生物学教室
1Department of Molecular Biology, Gifu Pharmaceutical University
キーワード:
nerve growth factor
,
gene family
,
synthesis
,
receptor
,
Alzheimer's disease
Keyword:
nerve growth factor
,
gene family
,
synthesis
,
receptor
,
Alzheimer's disease
pp.1101-1112
発行日 1991年12月1日
Published Date 1991/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900278
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
神経成長因子(NGF;nerve growth factor)は,神経系の形成,維持に重要な役割を担っている分子量約26,000のタンパク質である。NGFの膨大な研究から神経栄養因子の概念が確立され,それを基盤として神経生理学・神経発生学などの分野では研究対象としてのNGFの重要性がますます増加している。最近は社会的な要請もあって,脳の老化や疾病との関連がとくに注目されている。一人のアルツハイマー病患者の脳内にNGFが投与され,その後の臨床経過が良好であったというニュースは,研究者ならずともNGFの将来に大きな期待を抱かせる。そのほかNGF遺伝子ファミリーや受容体遺伝子ファミリーの発見など,現在もNGFは新しい話題に事欠かない。本稿では著者らの結果も紹介しながら最近のトピックスを中心にNGFについて概説したい。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.