書評
—著 Allen. J. Enelow・Scott, N. Swisher 監訳 津田 司 川崎医科大学助教授・総合臨床医学 訳 津田 司 石川雄一 伴 信太郎 古川恵一 佐々木 明—新しい問診・面接法—よきPatient Careのために
藤井 博之
pp.1039
発行日 1989年10月1日
Published Date 1989/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206413
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問診は診断の出発点だと,どの診断学の教科書にも書かれている。確かにそうなのだが,筆者はいつも物足りなく思ってきた。
患者は,病気以外にも何か複雑な問題を必ずかかえている,生身の人間である。単なる診断治療を越えて,患者とどんな関係をつくってゆくかが,医師には問われている。その重い課題に,困惑し,時には目を背ける。これが第一線の医療機関で働く医師の偽らざる姿だろう。まさに「単なる病歴聴取…ではなく,患者との人間的関わり合いを強調した面接法」(本書訳者序)が必要なのだ。
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