Japanese
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特集 神経系の発達
脳の化学組成と機能発達—グルコースとアミノ酸およびアミン神経伝達物質
Biochemicals and their Functions in the Brain: Glucose, and Amino Acid and Amine Neurotransmltters
柏俣 重夫
1
,
仙波 禮治
1
,
青木 英子
1
Shigeo Kashiwamata
1
,
Reiji Semba
1
,
Eiko Aoki
1
1愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所周生期学部
1Department of Perinatology, Institute for Developmental Research, Aichi-ken Colony for Persons with Developmental Disabilities
pp.851-861
発行日 1989年9月1日
Published Date 1989/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206381
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ヒトの脳重量の生後変化をみると,生下時(400g前後)から3歳頃(平均1,100g)まで急速に増加,その後は緩やかに増えつづけ5歳頃で約1,200g,15歳にして約1,300gとほぼ成人の値に達する。しかし,脳重量の増加率としてみると1)(図1左),ヒトの場合出生前後(周生期もしくは周産期;perinatal period)がもっとも高い。この増加率のプロフィルは動物種によって異なり,ブタはほぼヒトと同様であるが,イヌやラットでは出生後に,モルモットでは胎生期に最高の増加率をしめす。ヒト脳のDNA量増加率曲線1)(図1右)は二相性で,そのピークはニューロンの増殖を反映する胎生期中頃とグリア増殖の盛んな生後約1月齢にある。
こうした脳の発育過程が形態学的,生化学的,電気生理学的な事象あるいは行動の出現とどのような対応関係をもっているか,その全体を眺めるにはHimwich2)の記載を参考にするのが有意義である(図2)。
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