Japanese
English
特集 頭部感覚器の形態と機能
内耳の構造と問題点
Recent Information Concerning the Inner Ear Structure
野村 恭也
1
,
喜多村 健
1
Yasuya Nomura
1
,
Ken Kitamura
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otolaryngology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.453-463
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206309
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
内耳の微細構造に関する最近の研究は著しく進歩した。特に蝸牛の外有毛細胞の収縮性に関する知見は目をみはるものがある。他の部分についても多くの知見が得られているが,機能との関連についてはまだ多くの謎が残されている。
内耳構造の理解に実験的な方法も役立つ。臨床的によくみられる内耳性の難聴やめまい疾患も原因,病態についての詳細は不明であることが多い。このためモデル動物をつくり疾患の解明,治療法の検討などが進められている。メニエール病の研究に内リンパ管を閉塞して内リンパ水腫をつくることもその例であるが,このような実験を行って得られた内耳の反応から構造上の一面を知ることもできる。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.