書評
—大石 実(日本大学講師・神経内科)—神経内科臨床ガイドライン
島津 邦男
1
1埼玉医科大学神経内科
pp.537
発行日 1988年6月1日
Published Date 1988/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206116
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先日,著者である彼から本書を贈られ,同じく大学で教鞭をとっている者としての感想を求められた。
まず一読して,携帯に便利なこのサイズ(B6版)とページ数の中に,神経内科学の総論および磁気共鳴画像(MRI),HTLV−1 associ-ated myelopathy (HAM)やAIDSなど,最新の情報までも含め各論をまとめ上げている点に驚かされ,そのために種々の工夫が施されているのに感心せざるを得なかった。すなわち,本書の特徴は,神経疾患に関する部分をほぼ取り入れた厚生省研究班の診断基準を初めとする表や図(計300余枚)を多用し,簡潔ではあるが容易に理解できるように努め,また,実際の臨床に重点を置き,欠かすことのできない部分を箇条書きとし無駄を省いている。さらに,実用本位を心掛け,通常の索引に加えて一般には余り用いられない便利な索引を,巻頭と巻末に配し検索を容易にしたり,重要なテーマにはstar markや問題形式を用いて,学生や初心者に注意を喚起するなど処々に創意工夫の跡がうかがわれる。
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