連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・86
背筋をのばし空を見上げよう
柳田 邦男
pp.518-519
発行日 2013年6月10日
Published Date 2013/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102802
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夕暮れに西の空に1つだけ金色に輝く星を見ると,《あっ,金星だ。ずいぶん太陽から離れているな》とつぶやき,夜半にゴミ出しをしてふと仰ぐと,頭上にやや赤味がかったまたたきのない星がかかっているのに気づくと,ホルストの管弦楽曲「惑星」の中の「木星(ジュピター)」のメロディが頭の中に流れてくる。いつでも星を見上げ,雲を眺める習慣は,小中学生の頃に身についたものだ。
そうやって無意識のうちに星や雲を見つめている時は,身辺や世の中の雑事をまったく考えていない。まるで忘れたように。そういう時間を持てることが,私がストレスをあまりためないで過ごしている理由の1つになっているのだと思う。
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