連載 ほんとの出会い・2
心の背筋をちょっと伸ばして
岡田 真紀
1
1ノンフィクション作家
pp.534
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100282
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- 文献概要
去年の夏,初めてイタリアに行ったときのこと。ローマのテルミニ駅近く,サンタ・マリアマッジョーレ教会を高校2年の息子と2人で訪ねた。アメリカでもゴスペルを聴きに教会のはしごをしたが,ローマの教会の荘厳さは圧倒的。とくに高い丸天井から射しこむ数条の光は神々しく,天使たちが舞い遊んでいる様子が見えるような気さえする。
「すごいね。思わずシャツのボタンを留めちゃったよ」と息子の声。
見ると,いつもはズボンを引きずってだらしない格好なのに,襟元から裾までボタンをきちんと留め,長袖の袖口もぴしっと伸ばしている。彼なりに“聖なるもの”を感じたらしい。
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