連載 症候学メモ・28
余滴
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.316
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205883
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◆大学2年の春に,時実利彦先生の生理学の講義を聞いた。はじめから,「○○感覚は△△路を上って××核に達し,それから……」と,やや速口で,よどみない講義がつづく。それは恰も,まだ行ったことのない街の案内を,△△通りを行って右に曲がると××町に出て,と説明されるのと同じに思えた。解剖学で一度聞いたのだろうが,そのような△△路も××核も実物をみていないので,実感も湧かないし,見当もつかなかった。そこで,解剖学の小川鼎三先生にお願いして,脳の連続標本をその夏休みにみせて頂くことにした。
この頃は,神経内科学を専攻するとは考えてもおらず,またその後,沖中内科に入局したときもそうきめていたわけではなかった。
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