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特集 感覚神経路の多重性
感覚神経路の多重性—序論
Multiple Pathways in the Sensory System:Introduction
川村 祥介
1
Shosuke Kawamura
1
1熊本大学医学部解剖学第一講座
11st Department of Anatomy, Ku-mamoto University Medical School
pp.815-817
発行日 1986年9月1日
Published Date 1986/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205766
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外界の部分的感覚情報が一つのまとまったものとして大脳皮質(新皮質neocortex:以下同様)で統合され,認識されるに至る機構を理解するためには多くの分野にわたる考察が必要であろうが,本稿においては近年問題にされている"sensory parallel pathways"の概念と問題点を形態学的観点から記述することを目的にしている。
本稿の主題である"感覚系の多重投射"という言葉は上記の"parallel pathways"の概念をより広い意味でとらえたものであり,"parallel"の概念に対して"serialpathways (processing)"という概念が存在するが,これらは感覚処理機構としては反対概念ではなく,以下に記すように両者の共存が感覚統合には必要であり,その意味で両者を包含する"多重"という言葉は適切であるとおもわれる。
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