Shy-Drager症候群の内臓と血管の病理

Pathology of Internal Viscera and Cerebral Arterial System in Shy-Drager Syndrome

　Shy-Drager症候群^10）（以下SDSと記す）の内臓に行意な所見はないとされている。しかし，交感神経節節後線維の病変を指摘しこれを症状発現の原因として重視する報告もあり^2,5,7,9），本症の示す多彩な自律神経症状がBannisterら^1）の言う局所的な病変のみならず，もっと広範な内臓病変を伴っていることは充分考えられる。ここに報告する2例のSDS全身解剖例で認めた内臓末梢神経と平滑筋の広範な変化は，SDSに特徴的と考えたい所見である。