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特集 神経系疾患のNMRによる診断
NMR—神経系疾患における基礎と臨床
NMR:Basic and Clinical Researches in Diagnosis of CNS Lesions
山浦 晶
1
Akira Yamaura
1
1千葉大学脳神経外科学教室
1Department of Neurosurgery, Chiba University School of Medicine
pp.433-443
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205506
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I.はじめに
1972年にx線CT (X-CT)が発表されて以来,神経系疾患の補助診断法は著しく進歩した。著者は,臨床脳外科医の一人として, X-CTの開発と急速な普及は,将に革命的な出来事であるとうけとめていた。 X-CTの保有数は米国についで第2位といわれるに至った。1970年代のX-CTのかがやかしい発展の陰になり目立たない存在ではあったが,Nuclear magnetic resonance(NMR)映像の研究は着々と進んでおり,臨床に用いうる映像法として発表されたのは,1980年8月(Notting—hamのHolland,et al17))であった。著者らは幸いにして,昭和58年より放射線医学総合研究所のASAHIMARK-J (0.1T,resistive),さらに昭和59年より千葉大学のPicker International NMR system (0.3T,superconductive)のNMR-CTの有用性を経験する幸運に恵まれた28,29,38)。本文では,神経系疾患におけるNMRの基礎と臨床について整理し,概略を述べる。
臨床で用いられるNMRは,当然のことながら臨床用NMR映像スキャナであるが,スペクトロメータを用いたin vitroの研究についてもふれないわけには行かない。また,この特集において,重複をさけるために, NMR映像法の詳細ははぶき,腫瘍や脳血管障害のNMRについては,自験例を示すようにした。
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