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特集 脳脊髄液
脳脊髄液の臨床化学—neurotransmittersについて
Neurotransmitters in the cerebrospinal fluid.
竹岡 常行
1
Tsuneyuki Takeoka
1
1東海大学医学部第五内科学教室
1The 5th Department of Internal Medicine, School of Medicine, Tokai University
pp.927-946
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204822
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I.はじめに
著者に与えられた主題は脳脊髄液(髄液,CSF)の臨床化学である。髄液細胞や電解質,酸塩基平衡はもちろんのこと免疫グロブリン(定量法は最近RIAとELISAが発表された)や他の蛋白質(分離法としては古典的な5分画法からIEFまで),脳の構成あるいは特異蛋白質,アミノ酸,酵素,脂質,ムコ多糖体などの測定が実際臨床面で応用されている。さらに髄液中のneurotra—nsmittersやendorphinsとenkephalinsをはじめとするneurornodulatorsの定量も臨床と密接な関係となつてきている(hyper-endorphin syndromeなる"病名"も登場34))。一口に髄液の臨床化学とはいつてもこのようにきわめて広範囲のものであるので,限られた紙面では全領域を網羅することはできない。本論文では,神経科学を学ぶものにとつて基本的でしかも今日的な分野,neurotransmitters16)について髄液を媒介として文献的考察を行なう。
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