書評
—著 R.C.Duvoisin 訳 室 隆雄(東京駒込病院副院長)—パーキンソン病—患者と家族の手引
飯塚 礼二
1
1順天堂大学
pp.672
発行日 1981年7月1日
Published Date 1981/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204788
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本書はR.C.Duvoisinが1978年にRaven社から出版した原著を,この病気にくわしい室隆雄博士が翻訳されたものである。
パーキンソン病はわが国では昭和49年に難病として指定されている。欧米に比べ発病率は低いが,指定「難病」中では最も患者数の多い疾患であること,また難病ないしは神経系変性疾患のうちで発症の原因は不明であるが,その症状発生の機制については最も解明が進んでおり,同時にその知識が日常の臨床治療にとり入れられて,最近短期間中に長足の進歩を遂げた特徴ある疾患である。しかしながらL-DOPAを中心にした現在の治療法があくまで対症療法の域を出ず,また比較的高年齢になつてから発症して慢性経過をとることは,患者自身にとつても周囲の看護者や家族にとつても幾多の問題を抱えている。
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