書評
—Maurice W. VAN ALLEN 著,鬼頭 昭三・室 隆雄 訳—図解 神経学的検査のすすめ方
椿 忠雄
1
1新潟大学
pp.274
発行日 1972年3月1日
Published Date 1972/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203072
- 有料閲覧
- 文献概要
神経学的検査の指導書は,最近わが国でもいくつか出版されている。診断学的な書はともすると同じような内容になり易いので,その本が存在価値を有するためには,何らかのすぐれた,または変つた特長をもつことが必要である。そういう意味でこの「図解神経学的検査のすすめ方」はきわめて特色のある本である。神経学的検査は一応マスターしているつもりの私も,読んで感心する点が各所にあるのである。
それではどんな点に特色があるのかというと,次の点が挙げられる。①きわめてわかり易い図解が豊富にある。これは従来の本にみられぬ細かい注意がゆきとどいている。②神経学的検査のやり方が実際的である。③その意味づけがすぐれている。元来,神経学的検査は内科学の多くの分野とことなり,眼でみた所見のとり方とその意味づけ,そして既往歴が重要な意味を有するのであるから,本書はこの最も重要な点ですぐれた特色があることを示している。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.