書評
—浅沼 広,V. J. Wilson 編集—Intergration in the Nervous System
本郷 利憲
1
1筑波大学
pp.1015
発行日 1979年10月1日
Published Date 1979/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204481
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1978年5月,D.P.C.Lloyd,R.Lorente de Nó両教授記念のシンポジウムが,かつて二人が長い研究生活を送つたRockefeller大学において開催された。本書は,同大学のH.Asanuma,V.Wilson両教授の編集になる,このシンポジウムの成果の収録である。
数十年前,Lloydは当時新たに開発された電気生理学的手法によつて脊髄反射と下行路作用の機構を解析し,Lorente de Nóは生理学と解剖学の方法を組み合わせて前庭神経系と大脳皮質のニューロン回路の解析を行つた。これらの研究はそれ自体画期的なものであつたが,さらにその後の神経統合の研究全般に重要な基礎と方向を与えた。ここにこそこのシンポジウムが計画された意義があり,事実扱われた課題の多くはこの二人が開拓した領域におけるその後の発展を示すものであつた。
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