Japanese
English
電子頭微鏡による脳の形態学アトラス3
シナプス・2
Synapse ・2
佐野 豊
1
,
野条 良彰
1
Yutaka Sano
1
,
Yoshiaki Nojyo
1
1京都府立医科大学第1解剖学教室
1Department of Anatomy I, Kyoto Prefectural Medical School.
pp.228-233
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204208
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化学シナプスにおいては,伝達物質neurotransmitterが放出される。今日,伝達に関与する物質としては,1)アセチルコリン,2)モノアミン(カテコルアミン:ドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリン;インドールアミン:セロトニン),3)アミノ酸(γ—アミノ酪酸,グリシン,グルタミン酸,アスパラギン酸,タウリン),4) substance P,5) ATP,6)ヒスタミン,7)プロスタグランディンなどが挙げられる。これは正しくはputative neurotransmitterあるいはneurotransmittersuspectと呼ぶべき物質であり,またこれらのあるものはインパルスの伝達に直接関与するというよりは,調節者modulatorとして働くと推定されている。
個々の伝達物質がそれぞれ異なった形態学的特徴を具えたシナプス小胞に相対応して含まれているのかどうかは明らかではない。一般にシナプス小胞の内容としては1)伝達物質,2)これに結合したcarrier Protein,3)酵素,および4) ATPが混合して含まれていると考えられる。カテコルアミンニューロンにおけるchro—mogranins,後葉ホルモンを生産するペプチドニューロンにおけるneurophysinsなどがcarrier proteinの代表的なものとして挙げられる。
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