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特集 ラフトと細胞機能
シナプス後部lipid raftとシナプス後肥厚部(PSD)
Roles of postsynaptic lipid raft and postsynaptic density
鈴木 龍雄
1
Tatsuo Suzuki
1
1信州大学大学院医学研究科加齢適応医科学系独立専攻分子細胞学部門神経可塑性学分野
pp.284-290
発行日 2003年8月15日
Published Date 2003/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100760
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シナプス可塑性発現に関わる主要なシグナルプロセシングの場の一つとしてシナプス後肥厚部(PSD)が注目される中,タンパク質間相互作用の視点からPSDの分子構築に関する情報が急速に集まりつつある。また,最近lipid raftに焦点を当てた研究が盛んになり,急速に情報が集まっている。lipid raftはコレステロール,スフィンゴミエリンに富む微小膜領域で,細胞内情報伝達,細胞接着,membrane trafficking,タンパク質ソーティングなど,多彩な細胞内機能に関与すると考えられている。2001年に筆者らはシナプス後部にもlipid raftが存在していることを示した1)。lipid raftの一般的事項については,本特集の他の部分で述べられているので,本総説では脳,特にシナプス近傍のlipid raftについて説明と考察を加えるが,筆者は昨年,シナプス後部のlipid raftに関する英文総説2)を書き上げたばかりであり,また,日本語総説(生体の科学,解説)3)でもシナプスのlipid raftに触れている。本質的な部分はすでにそれらに記載されていることをはじめにお断りする。
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