総説 東京都神経科学総合研究所シンポジウム(1976年7月30日)
Part2 脊髄の神経科学的アプローチ
島村 宗夫
,
伊藤 正男
1
,
平田 幸男
2
,
田中 勵作
3
,
柳沢 信夫
4
,
青木 藩
5
,
松山 春郎
6
Yukio Hirata
2
,
Reisaku Tanaka
3
,
Nobuo Yanagisawa
4
,
Mamoru Aoki
5
,
Haruo Matsuyama
6
1東京大学医学部生理学
2東京都神経科学総合研究所
3東京都神経科学総合研究所病態神経生理学部門
4信州大学医学部第三内科
5旭川医科大学策2生理学
6東京都神経科学総合研究所臨床神経病理
2Tokyo Metropolitan Institute for eurosciences
3Department of Neurobiology, Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences
4Department of Medicine (Neurology), Shinshu University School of Medicine
5Department of Physiology, Asahikawa Medical College
6Department of clinical Neuropathology, Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences
pp.249-282
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204032
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序言
教科書的であるが,脊髄は情報伝達の径路として,また反射中枢としての働きをもつている。情報伝達に体性知覚など上行路も含まれるが,今回の総説には下行性つまり最終共通路である脊髄運動細胞に対する影響を,形態学,生理学,病態生理学的な面から考えることとした。
脊髄運動細胞は下行性の色々の径路からの影響をうけており,なかでも錐体路は古くから知られているところである。系統発生的に新しい錐体路の解釈も大脳皮質運動野の錐体細胞から発するもの,延髄錐体を経由するものなど色々に考えられている。また動物の種類によつて皮質より直達性に脊髄運動細胞に達するもの,脊髄内でニューロン(propriospinal neuron)を介するものなどがある。比較解剖学の立場から,錐体路と求心性Ia線維がどのように運動細胞に達しているかを,平田博士がまとめられている。
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