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特集 脳のシンポジウム
主題—脳死をめぐつて
窒息ならびに脳血行遮断時の大脳半球機能と脳幹,とくに延髄機能との関連
Effects of Anoxia and Ischemia of Brain Circulation on Cerebral and Brainstem Functions
島村 宗夫
1
,
青木 藩
2
,
藤森 聞一
2
,
元木沢 文昭
3
Muneo Shimamura
1
,
Mamoru Aoki
2
,
Bun-ichi Fujimori
2
,
Fumiaki Motokizawa
3
1東京都立府中療育センター
2北海道大学医学部第2生理学教室
3北海道大学医学部付属病院検査部生理
1Fuchu Ryoiku Center
2Department of Physiology, Hokkaido Univcrsity School of Medicine
3Division of Neurophysiology, Central Clinical Laboratory, Hokkaido University Hospital
pp.64-74
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903102
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近年臓器移植が行なわれるようになり,死の判定をめぐつて「脳死」という考えが導入されてきた。脳死は脳髄の死であり大脳半球のみならず脳幹をも含めた脳全体の回復不可能な機能喪失と解釈されている。それではこのような脳死をいかにしたら早期に発見できるか,いいかえると脳死を判定するよい指標はないものだろうか,という点が問題となる。
そこで今回はネコを対象として,手術的な脳の除去,窒息,脳血行遮断などの方法によつて,実験的に脳の機能を障害廃絶させ,脳波,種々な自律神経現象,運動反射などがどのように変化するか,これらを指標として大脳半球機能と脳幹機能との関連はどうかについて検討し,脳死に関する基礎資料を得ようとした。
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