Japanese
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総説
視覚性運動失調症—視覚・運動解離症候群
L'ATAXIE OPTIQUE:SYNDROME DE DECONNECTION VISUO-MOTRICE
P. RONDOT
1
,
間野 忠明
2
1パリ大学医学部(コシャン・ポールロワイヤル)神経学
2浜松医科大学生理学第2講座
pp.933-940
発行日 1975年9月1日
Published Date 1975/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203764
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I.はじめに
視覚性運動失調症(ataxie optique)とは視覚と運動との共同の障害により出現する症候群のことをいう。この症候群はその報告例が少ないため稀なものと考えられているが,実際にはその頻度はより高いものと思われる。報告例の少ないのはこの症候群が系統的に検索されてきていなかつたためでもあり,また複雉な眼球運動障害などをしばしば伴うためその症候学的な特徴を明確に把握することが困難であつたためとも考えられる。
1967年に著者がR.GARCINとJ.de RECONDOと共同で報告した視覚性運動失調症の典型的な1例はこの症候群を臨床的に確定診断し,視覚と運動との共同の障害によるものではないその他の運動障害から鑑別するための基準を示している6)。
その後1971年と1974年に報告した別の2例により,その経路の切断によつて視覚性運動失調症が出現する視覚と運動との連合経路についての重要な知見が得られている。
この症候群は大脳半球後頭部の病変の局在診断上重要な手がかりを与えるものであるため,よりよく把握しておく必要があるものと考えられる。
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