カラーアトラス
COLOR SCINTIGRAM (Part 2)—中枢神経系のscintigram
山崎 統四郎
1
,
小林 直紀
2
Toshio Yamasaki
1
,
Naotoshi Kobayashi
2
1東京女子医科大学放射線科
2東京女子医科大学脳神経センター,神経放射線科
1Department of Radiology, Tokyo Women's Medical College
2Department of neuroradiology, Institute of Neurology, Tokyo Women's Medical College
pp.926-931
発行日 1975年9月1日
Published Date 1975/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203763
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中枢神経系のシンチグラム検査としては,脳シンチグラフィーや髄液腔シンチグラフィーが代表的なものであるが,特殊なものとしてV-PないしV-Aシャントの交通性をみるものや,内頸動脈に放射性のMAAを動注して脳血流状態をみる方法などが試みられており,特に後者では動静脈シャント率も同時に測定し得る。
脳シンチグラフィーは99mTcO4-を用いてなされる。99mTcO4-は血液脳関門の存在により正常脳組織へはほとんど入らず,シンチグラム上正常脳組織は静脈洞などの血管系の陰影に囲まれ,白く抜けた部分として表現される。第1〜4図はシンチカメラにより得られた前後,左右両側面からの脳シンチグラムであるが静脈洞と頭蓋底が陽性に示され,大脳半球と小脳部は白くぬけて示されている。第13図は髄膜腫例の後面シンチグラムで,中央に腫瘍に相当した異常集積が認められる。放射性医薬品が脳腫瘍などの頭蓋内病変へ集積する機構については不明な点が多いが,一般には病変部の血液脳関門の破壊,腫瘍組織への放射性医薬品の親和性,腫瘍血管の増生などがその原因として考えられている。いずれにしてもシンチグラフィーは病変部に沈着した放射性医薬品から放射されるγ線を体外よりシンチグラム装置により記録して,その病変部位を陽性像として描くものである。
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