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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
画像所見
食道
pink color sign
pink color sign
北村 陽子
1
1市立奈良病院消化器肝臓病センター消化器内科
pp.522
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202726
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正常な食道上皮内の有棘細胞層内にはグリコーゲンが含まれており,ヨード染色を行うと,グリコーゲンとヨードが反応して,茶褐色に染色される.しかし,グリコーゲンを産生する食道上皮が菲薄化したり消失したりすると,ヨードの染色性は低下し,淡染〜不染帯を呈する(Fig.1).食道癌のみでなく,炎症性変化や扁平上皮の欠損などの良性疾患でも不染を呈する.つまり,ヨード不染の原因はさまざまである.
大森ら1)は,黄色であったヨード不染帯が数分後に,本来の病変の色調であるサーモンピンクを呈するようになる現象を,PC(pink color)signと命名した(Fig.2).PC signの原理に関してはいまだ不明な点があるが,異型が高度になると上皮のバリア機構が障害され染色後早期にヨードが上皮内から消失し,本来の病巣の色調であるピンクを呈するという説2)や,病変の異型性ではなく,残存した正常上皮の厚さを反映しているという意見もある.
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